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12話 森の少女の悲劇・ユウヤの困惑と獣人村の現実

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-07-10 07:00:34

 獣人だからと見下していたかもしれない……。依頼を受けた村から貰えた家は、雨風を防げるだけの休める場所ではなくて、ブロック造りの、十分に暮らしていける立派な家だった。しかも村から少し離れた場所で、広い庭付きだった。

「村の中心部から離れていますが、空いていて立派な家がこの家しか無いのです。村の中心部にも空き家はありますが……小さな家で少し、いや大分傷んでいまして」

 長老は、恐縮したように説明した。

「ここが良いです。あの、庭に倉庫を立てても問題ないですか?」

 ユウヤは、その家の良さに満足し、すぐに庭の活用方法を考えた。その瞳は、すでに未来の計画で輝いている。

「ええ。この土地は、お譲りした土地なのでご自由にお使いください」

(お。土地も貰えるんだ? 倉庫と薬草を育てられるかな?森に近い場所に植えてみようかな。その他は野菜かな?)

 ユウヤは、新しい生活への期待に胸を膨らませた。

「ありがとうございます」

「ありがと〜♪」

 アリアも満面の笑みで、感謝を伝えた。その声は弾んでいて、本当に嬉しいのが伝わってくる。

 こんなに、すんなりと村に入れちゃって良いのか? 結界で寄せ付けないようにしていた人間なのに? ユウヤは、少しばかり疑問を感じ長老に尋ねた。

「あの〜俺たちは人間なんですけど? すんなりと信じちゃって良いんですか?」

 長老は、ユウヤの疑問に穏やかに答えた。その表情は、一切の疑念を抱いていないようだった。

「儂には、害意のある者。ない者。が分かるスキルがありますので問題ないです。同じスキルを持っている者も同じ意見でした」

(やっぱりそうか……じゃなきゃ、得体の知れない危険な者がいるかもしれない場所に、子供を連れて来るわけがないか。)

 ユウヤは納得し、次の話題に移った。

「討伐は、明日からでも良いですか?」

「ええ。問題ないです。この森は広大で殲滅は不可能なので、定期的に討伐を行ってくだされば助かります」

(あぁ〜そういうことね……。だから食料と家付きなのか。納得できた……。)実際、上空から確認したけど広大な森だったしなぁ。討伐も程々で良いかな……? 殲滅も不可能じゃないけど依頼主が不可能と言うし。定期的に、のんびりと討伐をしていくか。

 村、森への出入りは自由。獣人の村のことは話さない。他の人間を連れてこない。討伐は最低1ヶ月に1回は行う。村に滞在中は食料の提供をする。とお互いに約束を交わし、長老が話を終えると深々とお辞儀をして帰っていった。

「なあ〜アリア……あれ?」

 ユウヤがアリアがいた方を見ると、すでに姿が消えていて家のドアが開いていた。

(この家が、相当気に入ってるな……。)

ユウヤは苦笑しながら、自分も部屋を見てみることにした。

♢「勇者様」と呼ばれる存在

 家に入ろうとすると、まだ残っていた6人ほどの可愛いネコ耳の子供たちが、目をキラキラさせながらユウヤに駆け寄ってきた。その小さな体からは、純粋な好奇心と興奮が伝わってくる。

「ゆうしゃさま。これ、たべてください!」

 小さな手が、何かの木の実を差し出してくる。

「あー、これも食べてください」

 別の子供も、嬉しそうに何かを差し出している。その顔は、ユウヤに何かをあげられることが誇らしいようだ。

「ん? 勇者? 俺が??」

 ユウヤは、突然の呼び名に困惑した。俺のことを、勇者様と目をキラキラさせて呼んでくる。俺の前世の記憶では、魔物や強敵を倒していく主人公だよな……それ、すごく恥ずかしいんですけど……。魔物や魔獣を討伐する依頼は受けたけどさ。

「はい。お父さんがいってました」

「うちの、おとうさんもいってたぁー」

「ゆうしゃさま、つよいっていってたー」

 子供たちは、口々に父親から聞いた話を得意げに語る。その無邪気な瞳は、ユウヤを本当に勇者だと信じているようだった。

 その時、ユウヤは初めて見る顔の女の子が通りかかるのを見かけた。

 銀髪で肩くらいの長さ、10歳くらいの感じのその女の子は、ボロボロの服を着ていて、ユウヤたちの方を鋭く睨んでいた。敵意というか警戒されているのか、そんな感情を向けられていたので、気になって子供たちに聞いてみた。

「あの女の子は?」

 ユウヤが尋ねると、最年長っぽい10歳くらいの女の子が、少し悲しそうな顔で答えてくれた。その声には、幼いながらも深い悲しみが込められている。

「えーっとねぇ……少し前にね、魔獣に襲われてお父さんとお母さんが、殺されちゃったんだよ。多分……もっと早く、勇者様が来てくれればって思ってるんじゃないかなぁ……」

(そんなことを言われても無理だろ……。)ユウヤは心の中でそう呟いた。

 前に来た時は、何も気づかなかったし、誰にも会わなかったんだし。そんな気になるような魔獣や魔物の気配も感じなくて、いつも通りの魔物が現れる普通の森って感じだったしな。って、ことは孤児なのか……? まあ両親が亡くなって、誰かが面倒を見てるんだろうけど辛いだろうなぁ。よく聞く話だけど……。

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    「そうだよ。三人で遊んだことないよっ」 ミーシャが大きく頷きながら、少し不満げに口を尖らせた。「うぅ〜ん……ないよね〜」 アリアも、過去を振り返るように首を傾げた。 朝食を終え、三人は連れ立って村を出て、近くの森へと足を踏み入れた。森の中は驚くほど静まり返っていて、鳥のさえずりや風が木々の葉を揺らす音だけが聞こえてくる。魔獣の気配はほとんどなく、獣を数匹見かけただけだった。 「遊び」と言っても、各々が好きなことに没頭することになった。ユウヤは、獣用の罠を仕掛けたり、木の実を探したりと、自分の趣味に没頭していた。アリアは、しゃがみこんで薬草や山菜の採集に夢中になっている。そしてミーシャは、まるで本能に従うかのように、イノシシを狩っていた。 魔物や魔獣が出ても、今なら一人でも簡単に討伐できるだろう。お互い好きなことをして遊んだ、ということになるのだろうか? これは、本当に三人で遊んだことになるのか、ユウヤには疑問だった。しかし、皆が楽しそうにしているなら、それでいいかと思った。 森に入った感じは、以前と比べて魔物や魔獣の出現率がかなり落ちていて、平和になった印象だ。それでも時折出現はしているので、対応ができる者でなければ危険だろう。 昼近くになり、アリアはユウヤの近くで採集をしていたので自然と合流できた。しかし、ミーシャは獲物を追いかけて遠くに行ってしまったため、ユウヤは仕方なく強引に転移で合流させた。「わぁっ。なに?えっ?」 ミーシャは、突然の空間移動に目を丸くし、混乱した声を上げた。「楽しめた?」 ユウヤが尋ねると、ミーシャはすぐに状況を理解し、不満げに口を尖らせる。「もぉ。今、獲物を追いかけてたのにぃ。楽しめたよっ!いっぱい獲れたぁ〜」 ミーシャは不満を漏らしつつも、異空間収納から獲れた獲物を取り出し、俺たちに見せてくれた。その数、獣が五体も獲れていた。イノシシが三体、シカが二体だった。その獲物の多さに、ユウヤは少し呆れた。 こんなに獲れるなら、売りに行けばかなりの現金収入になるな。「じゃあ、獲れたのを料理して食べたら、村へ行くか」「「はーい」」 アリアとミーシャが声を揃えて元気よく返事をした。 家に帰らずに、森の開けた場所で久しぶりに獲物を解体して、シンプルに味付けをして焼いて食べた。自然の中で食べる肉は、格別だ。滴る脂が

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